準角地とは?角地との違い、メリットやデメリットを図解で解説

準角地とは、アルファベットのLの形をした一本の道路の内側に位置する土地を意味します。
図やイラストを用いて準角地をわかりやすく解説し、準角地のメリットとデメリット、準角地と角地の違いなどご紹介しましょう。
なお、準角地の読み方は「じゅんかどち」となっています。
目次
- 1. 準角地とは、L字型などの道路に接する角地
- 1-1. 準角地のメリット
- 1-2. 準角地のデメリット
- 1-3. 準角地の定義
- 2. 角地と準角地の違い
- まとめ - 準角地は、隅切りを迫られる
1. 準角地とは、L字型などの道路に接する角地
準角地とは、アルファベットのLの形をした一本の道路の内側に位置する土地を意味します。
難解ですが、準角地を図で表すと以下のとおりです。

不動産の購入を検討しつつ物件情報を確認すると「準角地」と記されていることがありますが、それは上記のようなL字型の一本の道路に接することを意味します。
つづいて、準角地のメリットとデメリット、準角地の定義がどこに記されているかご紹介しましょう。
1-1. 準角地のメリット
準角地は、二方向が道路に接するため、通常の土地より利便性が高く解放感があります。
たとえば、一方向のみ道路に接する土地は、その方向から出入りする必要があり、建物を建てる際は間取りが制限され、開放感も高くはありません。
これに対して、準角地は二方向が道路に接するため、二方向から出入りでき、バラエティに富んだ間取りが可能になり、日当たりも良くなります。

また、準角地は、市区町村によっては建ぺい率が緩和されることがあり、緩和されれば、一般的な土地より広い住宅を建築できる場合があります。
建ぺい率とは、建物の一番広い部分の面積を、その建物が建つ敷地の面積で割り算した値であり、パーセントで表し、計算方法は以下のとおりです。
建ぺい率の計算方法
建物の一番広い部分の面積(㎡単位)÷その建物が建つ敷地の面積(㎡単位)×100=建ぺい率(%)
市街地には30%から80%などの建ぺい率が指定され、建物を建てる際は、指定された範囲に収まるように建築しなければなりません。
しかし、準角地は、市町村によっては指定される建ぺい率が10%程度高くなり、一般的な土地より広い住宅を建てることができる場合があります。
1-2. 準角地のデメリット
準角地は、利便性が高い、建ぺい率が緩和されるなどのメリットがあるため、一般的な土地より価値が高いとみなされます。
よって、準角地に位置する不動産を購入する際は、一般的な不動産より多くの予算が必要です。
また、準角地は、不動産取得税や固定資産税、都市計画税が高くなるというデメリットもあります。
さらに、準角地を相続すると相続税が高くなったり、譲り受けると贈与税が高くなるといったデメリットもあります。
それらの税金は、価値が高い不動産を取得や保有、相続や贈与を受けるほど税額が高くなります。
したがって、一般的な土地より価値が高いとみなされる準角地は、それらの税金が高くなります。
ただし、高くなるといっても一割から二割程度のため、さほど心配する必要はないかもしれません。
ちなみに、先述のとおり、準角地は購入する際に多くの予算が必要となりますが、これは高く売却できることを意味します。
つまり、準角地を購入する際は多くの予算が必要というデメリットは、メリットにもなり得るというわけです。
1-3. 準角地の定義
準角地とは、アルファベットのLの形をした一本の道路の内側に位置する土地ですが、その定義は、国税庁のページ「奥行価格補正率表」の「側方路線影響加算率表」に記されています。
以下が、その部分の抜粋です。

※ 出典:国税庁
また、お馴染みの不動産サイト「アットホーム」の不動産用語集には準角地の意味が記され、「アットホーム:不動産用語集 準角地」にて内容をご確認いただけます。
2. 角地と準角地の違い
準角地とは、アルファベットのLの形をした一本の道路の内側に位置する土地です。
これに対して角地とは、二本の道路に接する土地を意味します。
角地と準角地の違いを図でご説明すると、以下のとおりです。

上記のように準角地は一本の道路に接するのに対し、角地は二本の道路に接しています。
よって、角地は特に利便性が高いと見なされ、準角地や一般的な土地より高く売買されます。
また、角地は税制上も価値が高いとみなされ、準角地や一般的な土地より不動産取得税や固定資産税、都市計画税、相続税、贈与税なども高くなります。
準角地も一般的な土地よりそれらの税金が高くなりますが、角地はさらに高くなります。
なお、不動産取得税とは、不動産を取得することにより課される税金であり、不動産を購入した直後に一度だけ課されます。
固定資産税とは、1月1日の時点で建物や土地などを所有することにより課される税金であり、建物や土地を所有し続けるのであれば、毎年課されることとなります。
都市計画税とは、1月1日の時点において、主に市街地に位置する建物や土地を所有することにより課される税金であり、都市計画税が課される建物や土地を所有し続けるのであれば、固定資産税と同じく毎年課されることとなります。
まとめ - 準角地は、隅切りを迫られる
図やイラストを用いて準角地の意味を解説し、準角地と角地の違い、それぞれのメリットやデメリットなどをご紹介しました。
準角地とは、アルファベットのLの形をした一本の道路の内側に位置する土地です。
これに対して角地とは、二本の道路に接する土地を意味します。
準角地や角地は利便性に優れているため、一般の土地より高く売買され、不動産取得税や固定資産税、都市計画税、相続税、贈与税も高くなります。
準角地の意味をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。
なお、この記事の「1-1.準角地のメリット」にて、準角地は市町村によっては建ぺい率が緩和され、緩和されれば、一般の土地より広い住宅を建てることができるとご紹介しました。
しかし、建ぺい率が緩和される代わりに、たいていは隅切りを迫られるため注意してください。
隅切りとは、道路の見通しなどを確保するために、土地の隅を空き地とすることであり、隅切りをした部分には建築できません。

よって、建ぺい率の緩和を目的として準角地の購入を希望する場合は、事前に市町村役場に隅切りの必要性をご確認ください。
ご紹介した内容が、準角地の意味をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
最終更新日:2025年2月
記事公開日:2020年5月
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