REITとは?わかりやすく解説

REITとは?わかりやすく解説

REITとは、不動産投資を専門とする投資法人などが発行する、安く買って高く売れば儲かる金融商品です。

金融商品と聞くと高額な印象を受けますが、積立注文であれば、REITは月々1,000円などから購入できます。

しかし、REITには、元本割れする、分配金は確実ではない、為替や金利の影響を受けるなどのリスクがあり、慎重に吟味しつつ購入しなくてはなりません。

REITをわかりやすく解説し、REITのメリットとリスク、種類、利回り、買い方と始め方、おすすめのREITをご紹介しましょう。

目次

1. REITとは、不動産投資の側面を持つ金融商品

REITとは、株と同じく景気などによって価格が変動する金融商品です。

株は、株式会社が発行した株券を証券会社などで購入し、購入時より高く売れば儲かります。

また、その株券を発行した株式会社の業績が良ければ、株券の所有者、すなわち投資家に配当金が支払われます。

REITも仕組みは変わりません。

REITは、投資法人、または資産運用会社が発行した投資証券を証券会社などで購入し、購入時より高く売れば儲かります。

そして、その投資証券を発行した投資法人の業績が良いなどすれば、投資家に分配金が支払われます。

REITとは、不動産投資の側面を持つ金融商品

ただし、REITは、不動産投資の側面を持つという、株とは大きく異なる点があります。

REITは「国内型REIT」「海外型REIT」「ミックス型REIT」に分類され、詳細は以下のとおりです。

1-1. 国内型REIT

国内型REITは、大きく「J-REIT(ジェイリート)」と「資産運用会社が発行する国内REIT」に分類されます。

J-REIT」とは、不動産投資を専門とする日本の投資法人が発行するREITであり、株と同じく価格が変動する金融商品です。

投資法人はJ-REITを発行し、投資家がJ-REITを購入すれば、投資法人はその代金を以てオフィスビルやマンションなどの賃貸用不動産を購入しつつ賃貸するなどして利益を得て、得た利益を分配金という名目で投資家に還元します。

投資家に還元される分配金の額は、その投資法人が得る利益に応じて決定し、利益が多いほど分配金も多くなります。

分配金が多ければそのJ-REITは値上がりし、値上がりしたJ-REITは、証券会社などで売却することが可能です。

2022年1月の時点においてJ-REITを発行する投資法人の数は61であり、61の投資法人から61のJ-REITが発行され、全ての銘柄は「Jリート銘柄情報|J-REIT.jp」にて確認できます。

J-REITの仕組み

資産運用会社が発行する国内REIT」とは、日本の資産運用会社が発行する、複数種類のJ-REITをセットにしたREITです。

投資家が「資産運用会社が発行する国内REIT」を購入すれば、資産運用会社は得た代金を以て値上がりが期待される複数種類のJ-REITを売買しつつ運用します。

そして、利益を得れば、投資家に分配金を支払います。

投資家に支払われる分配金が多いほど、その「資産運用会社が発行する国内REIT」は値上がりし、値上がりした「資産運用会社が発行する国内REIT」を所有する投資家は、証券会社などで売却しつつ利益を得ることが可能です。

国内型REITの仕組み

なお、J-REITは、J-REITを発行する投資法人そのものを指すこともあるため留意してください。

例を挙げると、「J-REITは投資法人が投資家から集めたお金で様々な投資用不動産を購入します」などの表現を見かけますが、それは「投資法人が投資家から集めたお金で様々な賃貸用不動産を購入しつつJ-REITを発行する」という意味です。

また、法人とは、いわゆる会社を意味します。

たとえば、筆者の名前は倉田ですが、私が「株式会社倉田不動産」という不動産会社を経営するとすれば、倉田は個人、株式会社倉田不動産は法人といった具合です。

J-REITは日本の投資法人が発行しますが、投資法人とは、「投資家から預かった資産を投資する会社」などの意味があります。

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1-2. 海外型REIT

海外型REITは、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、北米、中南米、オセアニアなど、不動産投資を専門とする海外の投資法人が発行する複数種類のREITをまとめた金融商品です。

海外型REITは、日本の資産運用会社が商品化し、日本の証券会社で購入できます。

海外型REITの仕組み

投資家が海外型REITを購入すれば、資産運用会社はその代金を以て世界中の投資法人が発行する複数種類のREITを売買しつつ運用します。

そして、利益を得れば投資家に分配金を支払い、支払われる分配金が多いほど、その海外型REITは値上がりします。

値上がりした海外型REITを所有する投資家は、証券会社で売却しつつ利益を得ることが可能です。

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1-3. ミックス型REIT

ミックス型REITは、国内型REITと海外型REITをミックスしたREITです。

ミックス型REITは資産運用会社が商品化し、証券会社から購入できます。

ミックス型REITの仕組み

投資家がミックス型REITを購入すれば、資産運用会社は受け取った代金を以て、J-REITや海外の不動産投資を専門とする投資法人が発行する複数種類のREITを売買しつつ運用します。

そして、利益を得れば投資家に分配金を支払い、支払われる分配金が多いほど、そのミックス型REITは値上がります。

値上がりしたミックス型REITを所有する投資家は、証券会社で売却しつつ利益を得ることが可能です。

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2. REITのメリット

REITとは、不動産投資の側面を持つ金融商品です。

金融商品と聞くと敷居が高いという印象を受けますが、REITは月々1,000円程度から購入することが可能であり、株のように大損をすることがなく、運用が楽などのメリットがあります。

ここから、REITのメリットをご紹介しましょう。

2-1. 月々1,000円から購入できる

REITは金融商品だけに、10万円などのまとまった資金がないと購入できないと考えがちですが、月々1,000円程度から購入することが可能です。

REITなどの金融商品を月々1,000円程度から購入することを積立投資などと呼び、「積立注文で購入する」などと表現します。

金融商品でありながら月々1,000円程度から購入できるのが、REITのメリットです。

REITには、少額で購入できるというメリットがある

ただし、REITによっては、積立注文で購入すると、そのREITを売却した際に、一括で分配金を受け取ることとなる場合があるため留意してください。

REITを所有すると定期的に分配金が支払われますが、積立注文でREITを購入すると、売却した際にまとめて分配金を受け取ることとなる場合があります。

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2-2. 不動産投資の知識不要で購入できる

株式投資は、今後業績が上がる株式会社を投資家が見極め、その株式会社が発行する株券を購入することにより儲かります。

そのため、株式投資を行う際は、投資家自身が毎日様々なデータを見るなどして、今後業績が上がる株式会社を見極めなくてはなりません。

これに対してREITは、J-REITを購入すれば、投資法人が賃貸用不動産を売買しつつ資産を運用してくれます。

また、資産運用会社が発行するREITを購入すれば、資産運用会社が世界各国のREITを売買しつつ資産を運用してくれます。

つまり、REITは、プロに資産の運用を任せられるというわけです。

REITは株式投資より投資家の負担が少なく、不動産投資に関する知識がなくとも気軽に購入できるのがメリットです。

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2-3. 株のように暴落しない

株は、その株券を発行した株式会社の業績が急激に悪化するなどして、50万円で購入した株が翌日には40万円になるなど暴落することがあります。

一方、REITは、余程のことがない限り暴落しません。

REITが暴落しない理由は、1つのREITが複数種類の資産で成り立つというREITの仕組みにあります。

たとえば、J-REITを発行する「日本ビルファンド投資法人」という投資法人は、2022年5月の時点において合計70の賃貸用不動産を所有しつつ賃貸しています。

余程のことがなければ、70の賃貸用不動産から、一斉に入居者が退去しつつ家賃収入が絶えるようなことはありません。

また、資産運用会社が発行するREITには、国内外の様々なREITが含まれ、それらのREITが一斉に値下がりすることは希です。

投資法人や資産運用会社は、複数の賃貸用不動産やREITを購入しつつリスクを分散させ、発行するREITが暴落しないように心掛けます。

株のように暴落しないことが、REITのメリットです。

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2-4. 換金しやすい

REITは、証券会社などから購入できますが、いつでも証券会社で売却することが可能です。

REITには不動産投資の側面があり、実際の不動産投資で物件を売却したいと希望する場合は、早くとも1ヶ月程度、長ければ半年程度の日数を要しますが、REITは早急に売却できます。

現物の投資用物件より売却しやすいことが、REITのメリットです。

ちなみに、売却しやすいことを「流動性が高い」などと表現します。

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2-5. NISA対応で非課税になる

REITは、「NISA(ニーサ)」および「積立NISA」の対象商品です。

一括でREITを購入した場合はNISAが、月々1,000円などの積立注文でREITを購入した場合は積立NISAが適用されます。

REITはNISAを適用できるというメリットがある

一括でREITを購入した場合に適用されるNISAとは、REITを一括で購入しつつ受け取った分配金と、購入時より高く売るなどして得た利益に課される税金が非課税になる制度です。

また、積立注文でREITを購入した場合に適用される積立NISAとは、REITを積立で購入しつつ受け取った分配金と、購入時より高く売るなどして得た利益に課される税金が非課税になる制度です。

REITなどの金融商品を所有しつつ分配金を得たり、購入時より高く売るなどして利益を得ると、得た分配金や利益の15%の所得税、0.315%の復興特別所得税、5%の住民税が課されます。

しかし、NISA、または積立NISAを適用させつつREITを購入すれば、一定の購入額まで税金がかかりません。

NISAと積立NISAを適用すれば税金がかからないことが、REITのメリットです。

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2-6. iDeCo対応で節税になる

REITは、iDeCo(イデコ)に対応した商品も販売されています。

iDeCoとは、REITなどの金融商品を購入することにより、所得税と住民税が減額される制度です。

皆さんがご存じのとおり、サラリーマンやOLの方は給与所得を得て、給与所得から基礎控除や社会保険料控除、配偶者控除などの控除額を差し引いた額に、所得税と住民税が課されます。

給与所得から控除額を差し引いた額を課税所得と呼び、課税所得が多いほど所得税と住民税は高くなります。

しかし、iDeCoに対応したREITを購入すれば、その購入代金は給与所得から控除額として差し引かれ、課税所得が減ると共に、課税所得に課される所得税と住民税も減ります。

iDeCoに対応した商品があることが、REITのメリットです。

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3. REITのリスク

REITは月々1,000円から投資できる、不動産投資に関する知識がなくとも購入できるなどのメリットがあります。

しかし、REITは株と同じく金融商品だけに、購入時より値下がりすることがある、分配金が支払われないことがあるなどのリスクとデメリットがあります。

ここから、REITのリスクとデメリット、注意点をご紹介しましょう。

3-1. 元本割れすることがある

REITは株と同じく金融商品だけに、値下がりしつつ元本割れすることがあります。

元本割れとは、購入した金融商品が、購入時より値下がりすることです。

元本割れした金融商品を所有する投資家は、その金融商品を売却しても元が取れず、損をします。

REITが値下がりする理由は様々ですが、主に不動産市場の低迷が挙げられます。

たとえば、景気が悪くなることにより投資法人が賃貸するオフィスビルに空室が出るようになり、それに伴いREITも値下がりするといった具合です。

また、投資法人は複数種類の賃貸用不動産を取得しつつ賃貸しますが、保有する不動産は、どうしても人口が多い都市部に集中する傾向があります。

例を挙げると、J-REITを発行する投資法人「日本都市ファンド投資法人」は、2022年8月の時点において128の賃貸用不動産を保有しつつ賃貸していますが、うち71件は首都圏に所在します。

よって、首都圏に大規模な震災が起きつつ多くの賃貸用不動産が倒壊することがあれば、日本都市ファンド投資法人が発行するJ-REITは値下がりすると予想されます。

不動産市場の低迷や、震災などにより値下がりする虞があることが、REITのリスクです

なお、REITは値下がりしつつ元本割れすることがありますが、値下がりした原因が解決すれば、価格が回復することも珍しくありません。

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3-2. 分配金は確実ではない

株券を購入し、その株券を発行した株式会社の業績が良ければ、投資家に配当金が支払われます。

しかし、その株券を発行した株式会社の業績が悪ければ、配当金は支払われません。

これは、REITも同じです。

そのREITを発行した投資法人や資産運用会社が利益を得れば、投資家に分配金が支払われます。

しかしながら、REITを発行した投資法人や資産運用会社が利益を得ていない場合は、分配金は支払われません。

分配金が確実に支払われるわけではないことが、REITのリスクです。

REITの分配金は、確実に支払われるわけではない

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3-3. 積立注文のREITは、さほど儲からない

REITは、分配金が支払われないことがあるというリスクがありますが、月々1,000円などの積立注文で購入すると、さほど儲からないというデメリットと注意点もあります。

たとえば、2022年6月の時点において、J-REITの予想年間分配金利回りは3.73%です。( REITの最新の利回りは「日本取引所グループ:REITレポート・ガイドブック」にて確認できます )

つまり、月々1,000円の積立注文で1年間に12,000円分のJ-REITを購入した場合は「12,000円×3.73%=447.6円」と計算し、1年で447.6円の分配金しか受け取ることができないというわけです。

積立注文で購入するREITは儲からない

ただし、毎月1万円などの積立注文を行う場合は、この限りではありません。

毎月1万円ずつREITを積立注文すれば、1年間に12万円分のREITを購入することとなり、利回りが3.73%であれば「12万円×3.73%=4,476円」と計算し、1年間で4,476円の分配金を得ることができます。

これを10年などの長期にわたり複利で運用すれば、毎年の分配金はさらに増えます。

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3-4. 海外型REITは為替の影響を受ける

REITは、大きく国内型REITと海外型REITに分類されます。

海外型REITは、不動産投資を専門とする海外の投資法人が発行する、複数種類のREITをまとめた金融商品です。

海外型REITは日本の資産運用会社が商品化していますが、外貨で海外の投資法人が発行するREITを売買しつつ運用し、円に換算して販売しています。

よって、海外型REITは円高であれば値下がりし、円安であれば値上がりするという為替の影響を受けるというリスクがあります。

円高、円安の区別は難しいですが、「先月は1ドル100円、今月は1ドル90円」であれば円高、「先月は1ドル100円、今月は1ドル110円であれば円安などとお考えください。

アメリカの経済が不調で日本の経済が好調であれば円高に、アメリカの経済が好調で日本の経済が不調であれば円安になる傾向があります。

海外型REITは、為替の影響を受けるというデメリットがある

ちなみに、海外型REITには、為替のリスクを軽減できる「為替ヘッジあり」と呼ばれる商品も販売されています。

為替ヘッジありの海外型REITを購入すれば、円高により被った投資家の損失を資産運用会社が補填しますが、購入する際に多くの費用がかかることがあるため注意してください。

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3-5. 国内型REITは金利の影響を受ける

REITは、J-REITを主体とする「国内型REIT」と、海外のREITをまとめた「海外型REIT」に大きく分類されます。

そして、国内型REITは、米国の金利が上昇すると下落するリスクがあります。

その理由は、米国の金利が上昇することにより、米国の投資家が所有するJ-REITを売却する虞があるためです。

米国の金利が上昇すれば、J-REITを所有する米国の投資家は銀行から資金を借り入れることが難しくなり、所有する資産を売却しつつ資金を得ようとします。

そこで米国の投資家が売却するのが、所有するJ-REITです。

J-REITは国内外の投資家が保有し、米国の金利が上昇すれば、米国の投資家からの売り注文が多くなり、下落する可能性があります。

ちなみに、日本の金利が上昇することでも、J-REITは下がる可能性があります。

その理由は、J-REITを発行する日本の投資法人は、銀行から資金を借り入れつつ賃貸用不動産を購入するためです。

金利が上昇すれば返済が難しくなり、投資法人は業務を縮小せざるを得ず、業務が縮小すればJ-REITは下落します。

金利の影響を受けることが、REITのリスクです。

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3-6. 投資法人が倒産することがある

REITは、投資法人や資産運用会社が発行しますが、それらは経営状況が芳しくなければ倒産します。

発行元が倒産すれば、そのREITは、大きく値下がりします。

2008年にはJ-REITを発行する日本の投資法人「ニューシティ・レジデンス投資法人」が倒産しました。

その際は、同投資法人が発行したJ-REITが大きく値下がりすると共に、投資家からのJ-REITへの信頼が失われ、その他多くのREITが売却されつつ各銘柄が一斉に値下がりしました。

その後、REIT市場は回復しましたが、投資法人や資産運用会社が倒産することにより値下がりする虞があるのが、REITのリスクです。

なお、株やREITなどの金融商品は、購入者が多いほど値上がりし、売却する者が多いほど値下がりするため留意してください。

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4. J-REITの種類

日本の投資法人が発行するREITを「J-REIT」と呼び、2022年1月の時点において、J-REITを発行する61の投資法人が存在します。

61の投資法人は、オフィス特化型、商業・店舗特化型、住宅特化型、ホテル特化型、物流施設特化型、ヘルスケア施設特化型、複合型、総合型に分類され、それぞれ所有する賃貸用不動産の種類が異なります。

例を挙げると、オフィス特化型の投資法人は、オフィスビルを所有しつつ賃貸するといった具合であり、詳細は以下のとおりです。

J-REITの種類と特徴

J-REITの種類 特徴
オフィス特化型 オフィスビルを所有しつつ賃貸する
商業・店舗特化型 商業施設やデパート、大型店舗を所有しつつ賃貸する
住宅特化型 マンションを所有しつつ賃貸する
ホテル特化型 ホテルを所有しつつ賃貸する
物流施設特化型 倉庫などの物流施設を所有しつつ賃貸する
ヘルスケア施設特化型 有料老人ホームなどのヘルスケア施設を所有しつつ賃貸する
複合型 オフィス特化型、商業・店舗特化型、住宅特化型、ホテル特化型、物流施設特化型、ヘルスケア施設特化型のうち、2種類の不動産を所有しつつ賃貸する
総合型 オフィス特化型、商業・店舗特化型、住宅特化型、ホテル特化型、物流施設特化型、ヘルスケア施設特化型のうち、3種類以上の不動産を所有しつつ賃貸する

そして、61の投資法人は、それぞれ1銘柄のみのJ-REITを発行し、所有する賃貸用不動産が得る家賃収入に応じて、発行するJ-REITの価格が変動します。

また、オフィスビルや商業施設、マンション、ホテル、物流施設、ヘルスケア施設などの賃貸用不動産には、時代のニーズがあります。

よって、J-REITを発行する投資法人が、どの特化型に該当するか確認し、それぞれが所有する賃貸用不動産のニーズの傾向を鑑みれば、その投資法人が発行するJ-REITの成長具合を予想できます。

たとえば、今後オフィスビルの需要が増えると考えられるのであれば、オフィス特化型の投資法人が発行するJ-REITは値上がりすると予想されます。

反対に、今後オフィスビルの需要が減ると考えられるのであれば、オフィス特化型の投資法人が発行するJ-REITは値下がりすると予想されます。

J-REITは種類を確認することにより成長具合を予想できる

J-REITを発行する61の投資法人が、どの特化型に該当するか、どのような賃貸用不動産を所有するかは、「銘柄情報 | Jリート(不動産投資信託)の総合情報サイト」にて確認できます。

オフィス特化型、商業・店舗特化型、住宅特化型、ホテル特化型、物流施設特化型、ヘルスケア施設特化型の時代のニーズの傾向は、以下のとおりです。

4-1. オフィス特化型

オフィス特化型の投資法人は、数多くのオフィスビルを所有しつつ賃貸しています。

新型コロナウイルスによるリモートワークが流行る昨今、オフィスビルの需要は減退気味であり、オフィス特化型の投資法人が発行するJ-REITは、2021年に大きく値下がりしました。

しかし、2024年頃に向けてオフィスビルの空室率は緩やかに低下すると予想され、2022年8月の時点において、オフィス特化型の投資法人が発行するJ-REITは回復傾向にあります。

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4-2. 商業・店舗特化型

商業・店舗特化型の投資法人は、数多くのショッピングセンターやデパート、大型店舗を所有しつつ賃貸しています。

少子高齢化、人口減少、人手不足、物流費の高騰、消費者の車離れによる移動範囲の縮小などにより商業施設の需要は鈍化すると予想されますが、商業・店舗特化型の投資法人が発行するJ-REITは、比較的価格が安定しています。

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4-3. 住宅特化型

住宅特化型の投資法人は、数多くのマンションを所有しつつ賃貸しています。

人口減少によりマンションの需要は下がる可能性がありますが、それでも都市部では需要が多く、住宅特化型の投資法人が発行するJ-REITは堅調です。

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4-4. ホテル特化型

ホテル特化型の投資法人は、数多くのホテルや旅館を所有しつつ賃貸しています。

新型コロナウイルスにより海外からの渡航者が減った現在では、残念ながらホテル特化型の投資法人が発行するJ-REITは苦戦中です。

しかしながら、複数の温泉施設を所有しつつ賃貸する「大江戸温泉リート投資法人」が発行するJ-REITは、比較的価格が安定しています。

高齢者社会を迎えた日本では、温泉施設の時代が来るのかもしれません。

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4-5. 物流施設特化型

物流施設特化型の投資法人は、数多くの倉庫などの物流施設を所有しつつ賃貸しています。

誰もがネット通販を利用する現在、物流施設の需要は高まる一方ですが、物流施設特化型の投資法人が発行するJ-REITはさほど値上がりせず、足踏みしている状態です。

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4-6. ヘルスケア施設特化型

ヘルスケア施設特化型の投資法人は、数多くの有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅を所有しつつ賃貸しています。

2022年8月の時点において、ヘルスケア施設特化型の投資法人は「ヘルスケア&メディカル投資法人」のみですが、高齢化が進む昨今、ヘルスケア施設の需要は増え続けると多くの投資家から判断され、同投資法人が発行するJ-REITは右肩上がりです。

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5. J-REITの利回り

J-REITの総合情報サイト「J-REIT.jp」によれば、過去10年のJ-REITの分配金利回りは4%程度から3%程度の間で推移しています。

具体的には、2013年1月の時点において4.12%、2014年1月の時点において3.70%、2015年1月の時点において3.04%と続き、2022年1月の利回りは3.76%です。

以下は、J-REITの過去10年間の利回りの推移を表したグラフです。

J-REITの過去10年間の利回り

J-REITは、不動産投資の側面を持つ金融商品であり、不動産投資の利回りは以下のように計算し、利回りが高いほど、その賃貸用不動産は儲かることを意味します。

不動産投資の利回りの計算式
1年間に得られる家賃収入÷物件価格×100=利回り(%)

たとえば、物件価格が1億円、1年間に得られる家賃収入が1,000万円であれば「1,000万円÷1億円×100=10%」と計算し、その賃貸用不動産の利回りは10%です。

不動産投資における利回りは、物件の所在地と築年数によって大きく異なり、はっきりとした相場はありませんが、東京23区内の一棟マンションであれば6%程度といわれます。

よって、J-REITには不動産投資の側面があるものの、その利回りは、実際の不動産投資には及ばないといえるかもしれません。

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6. REITの買い方と始め方

REITは、主に証券会社で購入することが可能であり、楽天証券やSBI証券などのいわゆる「ネット証券」であれば、ネット上で全ての手続きが完了します。

REITの始め方と買い方は、以下のとおりです。

6-1. 証券会社で口座を開設する

はじめに、証券会社で口座を開設します。

「口座」と聞くと銀行口座をイメージしますが、証券会社の口座も同じであり、入金しつつ利用します。

ただし、銀行口座は給与の振込先などとして利用しますが、証券会社の口座はREITを購入するために利用し、預けたお金を以てREITを購入することとなります。

REITの買い方

証券会社で口座を開設する際は、身分証明書の提示を求められますが、ネット証券であれば、スマートフォンで身分証明書を撮影し、アプリを経由しつつ証券会社に転送することにより完了します。

身分証明書を転送するアプリは、ネットの証券会社のホームページからリンクされている、Google PlayやApp Storeよりダウンロードすることが可能です。

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6-2. 証券会社の口座にREITの購入資金を入金する

証券会社の口座が開設できれば、銀行や郵便局などから証券会社の口座へ向けて、REITを購入するための資金を振り込みます。

月々1,000円などの積立注文でREITを購入する場合は、1年分である12,000円などを、一括でREITを購入する場合は、購入を希望するREITの価格に応じた額をお振り込みください。

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6-3. REITを購入する

証券会社の口座へのREITの購入資金の振り込みが完了すれば、その証券会社で販売されているREITを注文しつつ購入します。

そして、そのREITから分配金が支払われれば、証券会社の口座に振り込まれます。

また、そのREITを売却すれば、証券会社の口座に売却代金が振り込まれることとなります。

証券会社の口座に振り込まれた分配金や売却代金は、証券会社の口座から指定の口座に振り込むことが可能です。

なお、月々1,000円などの積立注文でREITを購入する場合は、投資信託として販売されているREITを購入することとなり、J-REITを購入する場合は、10万円などを一括で支払いつつ購入することとなるため留意してください。

投資信託として販売されているREITとは、資産運用会社が商品化した、国内外のREITを集めたREITであり、J-REITが含まれた商品も販売されています。

J-REITそのものを購入する際は、株と同じく個別銘柄で注文することとなり、10万円など、そのJ-REITの価格を一括で支払いつつ購入することとなります。

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7. おすすめのREIT

ここからは、おすすめのREITをご紹介します。

しかし、おすすめのREITは時勢によって変わり、筆者がおすすめのREITを紹介したとしても、値上がりするとは限りません。

そこで、投資信託を評価しつつ格付けする「モーニングスター社」の「ファンド・オブ・ザ・イヤー」を受賞した、いくつかのREITをおすすめのREITとしてご紹介しましょう。

7-1. J-REIT・リサーチ・オープン

一つめにおすすめするREITは、2021年と2020年にモーニングスター社のファンド・オブ・ザ・イヤーの優秀ファンド賞を受賞した「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」です。

おすすめのREITはJ-REIT・リサーチ・オープン

「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」は、資産運用会社「三井住友トラスト・アセットマネジメント」が商品化する、投資信託として販売されているREITであり、複数種類のJ-REITをまとめた国内型REITとなっています。

2022年8月5日の時点において、「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」の価格は6,698円ですが、積立注文で購入するのであれば、月々1,000円程度から購入できます。

モーニングスター社によれば「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」は、5年程度保有することにより高いリターンを得られるとのことです。

なお、先に「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の価格は6,698円」とご紹介しましたが、投資信託として販売されているREITの価格を「基準価額(きじゅんかがく)」と呼びます。

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7-2. ダイワ・US-REIT・オープン

二つめにおすすめするREITは、2021年にファンド・オブ・ザ・イヤーのオルタナティブ型部門の最優秀ファンド賞を受賞した、「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」です。

おすすめのREITはダイワ・US-REIT・オープン

「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」は、資産運用会社「大和アセットマネジメント」が商品化する、投資信託として販売されているREITであり、複数種類の米国のREITをまとめた海外型REITとなっています。

2022年8月5日の時点において「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」の基準価額は2,648円ですが、積立注文であれば月々1,000円程度から購入できます。

「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」は、海外型REITだけに為替の影響を受ける、金利が上昇中の米国のREITをまとめた商品だけにリスクが大きいという側面がありますが、過去10年中7年は価格が上昇しています。

モーニングスター社によれば「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」は、3年程度保有することによりリターンを得られるとのことです。

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7-3. Jリート・アジアミックス・オープン

最後におすすめするREITは、2019年にファンド・オブ・ザ・イヤーのREIT部門の最優秀ファンド賞を受賞した「Jリート・アジアミックス・オープン(資産成長型)」です。

おすすめのREITはJリート・アジアミックス・オープン

「Jリート・アジアミックス・オープン(資産成長型)」は、資産運用会社「三井住友DSアセットマネジメント株式会社」が商品化する、投資信託として販売されているREITとなっています。

「Jリート・アジアミックス・オープン(資産成長型)」は、複数種類のJ-REITと、シンガポール、香港、インド、タイ、オーストラリア、ニュージーランドなど、アジア、オセアニア各国の投資法人が発行するREITを含むミックス型REITであり、2022年8月5日における基準価額は21,983円です。

他のおすすめのREITと同じく、積立注文であれば「Jリート・アジアミックス・オープン(資産成長型)」は月々1,000円程度から購入することが可能であり、モーニングスター社によれば、さほどリスクは高くなく、5年程度保有することによりリターンを得られるとのことです。

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まとめ

REITをわかりやすく簡単に解説しました。

REITとは、株と同じく価格が変動する投資商品であり、安く買って高く売れば儲かる金融商品です。

REITは、不動産投資を専門とする投資法人、または資産運用会社が発行し、証券会社にて購入できます。

投資家が投資法人が発行するREITを購入すれば、投資法人は受け取った代金を以て賃貸用不動産を購入しつつ賃貸し、得た利益を投資家に還元します。

投資家が資産運用会社が発行するREITを購入すれば、資産運用会社は受け取った代金を以て国内外の投資法人が発行するREITを売買しつつ運用し、得た利益を投資家に還元します。

また、REITには、月々1,000円などから購入できる、株のように暴落しないなどのメリットがありますが、月々1,000円などで購入するとさほど儲からない、元本割れすることがあるなどのデメリットとリスクがあるため、慎重に吟味しつつ購入しなくてはなりません。

ご紹介した内容が、REITをお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2022年8月

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