中古住宅を見学すると臭かった。中古住宅の臭いを除去する方法

中古住宅を見学すると、タバコやペット、トイレ、場合によってはカビなど、独特の臭いが気になることがあります。
中古住宅の臭いを完全に除去するのは難しく、ある程度は我慢する必要がありますが、リフォームなどをすれば目立たなくすることが可能です。
中古住宅の購入を希望するものの臭いが気になる方へ向けて、中古住宅の臭いを消す方法をご紹介しましょう。
目次
- 1. タバコの臭いは、壁紙や天井を貼り替える
- 2. ペットの臭いは、壁紙と床材を貼り替える
- 3. トイレの臭いは、便器内の尿石をサンドペーパーで削り取る
- 4. 玄関の臭いは、靴箱に染みついている臭いを拭き取る
- 5. 思いのほか臭うのが土壁。土壁はリフォームするのがベスト
- 6. 無垢のフローリングの臭いは、ワックスを塗る
- まとめ - 中古住宅の臭いは、元から断つことが大切
1. タバコの臭いは、壁紙や天井を貼り替える
中古住宅を見学しようと玄関に入ると、猛烈なタバコの臭いに喉が痛くなることがあります。
タバコを吸わない方にとってタバコ臭は苦痛であり、その中古住宅の購入を断念しようかと迷いますが、壁紙を貼り替えれば、タバコの臭いは除去することが可能です。
タバコの臭いは壁紙だけではなく天井にも染みついているため、忘れずに天井の壁紙も貼り替えてください。
壁紙の貼り替えはDIYでもできますが、リフォーム業者に依頼した場合、6帖のお部屋の壁と天井のクロスを貼り替える費用の相場は10万円程度です。
併せて換気扇やドア、サッシなども丁寧に掃除すれば、より確実にタバコの臭いを除去できます。
ドアやサッシを掃除する際は、除菌効果や消臭効果があることを謳う家庭用洗剤をお使いください。

なお、和室の天井は板張りになっていることがありますが、板の上に壁紙を貼ることが可能で、そうすればタバコの臭いを封じ込めることができます。
また、あまりにもタバコの臭いが強い場合は、それを理由に値引きを迫るのも手です。
誰でもわかる不動産売買では、中古住宅の値引きに関することをご紹介するコンテンツ「中古住宅は値引きできる?値下げしやすい物件の特徴」も公開中のため、お時間のある方は是非ご覧ください。
2. ペットの臭いは、壁紙と床材を貼り替える
前所有者がペットを飼っていた中古住宅はペット臭が残っていますが、壁紙を貼り替えるなどすれば、ある程度は消すことが可能です。
また、前所有者が猫や犬を飼っていた場合は、床に尿の臭いが染みついていることがあるため、併せて床材も新調するのがおすすめです。
6帖のお部屋の壁紙を貼り替えるリフォーム費用の目安は5万円程度、6帖のお部屋のフローリングを新調するリフォーム費用の目安は8万円程度が相場です。
ただし、畳をフローリングにリフォームする場合は、5万円程度の追加費用が必要になるため注意してください。
そして、ペットの臭いはドアや窓などにも染みついているため、消臭効果や除菌効果がある住居用洗剤などで丁寧に掃除しつつ、臭いを拭き取ってください。
ふすまなど、紙を使った建具がある場合は、貼り替えるのが良いでしょう。
ふすまや障子の貼り替えは思いのほか簡単で、DIYで貼り替えれば数千円などの材料費だけで済みます。
なお、壁紙を貼り替えるなどしてペットの臭いが取れても、動物アレルギーの方はアレルギー症状が出ることがあります。
そのため、猫アレルギーなどの症状がある場合は、前所有者がペットを飼っていた中古住宅の購入自体を検討し直す方が良いかもしれません。

3. トイレの臭いは、便器内の尿石をサンドペーパーで削り取る
中古住宅のトイレは、独特のアンモニア臭が染みついていることがあります。
トイレのアンモニア臭は、便器内に残る尿石が原因のため、尿石などの汚れを取り除いてください。
尿石は重曹などで取れますが、硬くて取り除けない場合は、プラスチック製のヘラや、耐水性があるサンドペーパーなどで削り落とすのがおすすめです。
耐水性があるサンドペーパーを使う際は、できる限り目の細かいものを使用し、便器を傷つけないように注意してください。
また、中古マンションのトイレは窓がないことがあり、窓がないトイレは換気扇が付いていても臭気がこもりがちで匂います。

そのような窓がないトイレの臭いは、尿石を取り除くだけでは取れません。
窓がないトイレが臭う場合は、壁紙を貼り替えると共に除菌効果や消臭効果がある住居用洗剤でドアを丁寧に掃除し、換気量が多い換気扇を取り付けるなどして、臭いがこもらないトイレにリフォームするのが理想です。
4. 玄関の臭いは、靴箱に染みついている臭いを拭き取る
中古住宅を見学する際は、入ってすぐ玄関の臭いが気になることがありますが、玄関の臭いの原因は主に靴箱です。
そのため、中古住宅の購入を検討するものの玄関の臭いが気になる場合は、購入後に住居用洗剤を用いて、靴箱を隅々まで徹底的に掃除するのがおすすめです。
掃除した後は、定期的に靴箱の扉を開けっ放しにするなどして、靴箱の中に臭いがこもらないように注意してください。
靴箱を掃除しても臭いが消えない場合は、思い切って靴箱を交換、または撤去するリフォームを実施するのが良いでしょう。
また、臭いは壁や柱にも染みついています。
そのため、中古住宅の玄関の臭いが気になる場合は、壁紙や柱も住居用洗剤で掃除してください。
お使いになる居住用洗剤は、中性洗剤を薄めたような洗剤ではなく、除菌効果や消臭効果がある商品を選ぶことが大切です。
5. 思いのほか臭うのが土壁。土壁はリフォームするのがベスト
中古住宅の臭いといえば、玄関やトイレをイメージしますが、思いのほか臭うのが土壁です。
土壁は吸湿効果がありますが、湿気を吸う際は臭いも吸い込みます。
そして、古くなると吸湿効果が衰え、溜め込んだ臭気を吐き出しつつ臭くなります。
壁紙の臭いは、住居用洗剤で拭き取ることができますが、土壁は拭けません。
そのため、土壁が臭う場合は塗り直したり、土壁の上に壁紙を貼るリフォームを施して臭いを封じ込めるのがおすすめです。
土壁に壁紙を貼るリフォームの費用は、6帖のお部屋で8万円程度が相場です。
ちなみに、中古マンションの和室に採用されている土壁は本当の土壁ではなく、土壁風の壁紙が貼られたものです。
よって、塗り直すことができず、土壁風の壁紙自体を貼り替えるリフォームが必要となるため留意してください。
6帖のお部屋の土壁風の壁紙を貼り替えるリフォーム費用の目安は、5万円程度が相場です。

6. 無垢のフローリングの臭いは、ワックスを塗る
無垢のフローリングは吸湿効果があり、湿気が高くなる夏に吸湿し、乾燥する冬に吐き出すなどと言われますが、同時に臭いも吸い込みつつ吐き出します。
そのため、中古住宅の臭いは、無垢のフローリングが原因の場合があります。
無垢のフローリングが匂う場合は、ワックスを塗ることにより封じ込めることが可能です。
無垢のフローリングは肌触りが優しい、吸湿効果があるなどとして人気ですが、臭いの原因となることがあるため注意してください。
まとめ - 中古住宅の臭いは、元から断つことが大切
中古住宅の購入を希望するものの臭いが気になる方へ向けて、臭いを除去する方法をご紹介しました。
中古住宅の臭いは、ファブリーズなどの消臭スプレーをかければ取れることがありますが、大抵は一時的なもので、しばらくすると臭いが戻ります。
また、お香などを焚いて臭いの上に臭いを被せるという方法もありますが、それでは根本的な解決には至りません。
よって、中古住宅の臭いが気になる場合は、臭いの元を探り、壁紙や床材を貼り替えたり、靴箱を取り換えるなどの思い切ったリフォームがおすすめです。
中古住宅の臭いは染みついているため、元から絶たなければ消えません。
余談ですが、私も古い一戸建ての中古住宅を購入した際に、謎の臭いに悩まされたことがあります。
原因は、天井裏に溜まったネズミの糞で、結局は除去できませんでした。
ご紹介した内容が、中古住宅の購入を希望する皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2019年8月
最終更新日:2020年5月
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