中古住宅を見学すると臭かった。中古住宅の臭いを除去する方法

中古住宅を見学すると臭かった。中古住宅の臭いを除去する方法

中古住宅の臭いは、オゾン消臭サービス、リフォーム、掃除などで除去できる可能性があります。

タバコやペット、トイレのアンモニア臭、土壁から臭う生活臭、洗面室のカビの臭いなど、中古住宅のくさい匂いを消す方法をご紹介しましょう。

目次

1. 中古住宅の臭いは、オゾン消臭、リフォーム、掃除で消す

はじめに、中古住宅の臭いはどのような方法で消すことができるかご紹介しましょう。

中古住宅の臭いを消す方法は大きく3つに分類され、1つめはオゾン消臭サービスの利用、2つめは壁紙を貼り替えるなどのリフォーム、3つめは丁寧な掃除です。

中古住宅の臭いを消す方法は、オゾン消臭サービス、リフォーム、掃除に分類される

1つめのオゾン消臭サービスは、ダスキンなどの専門業者に依頼する必要があり、床面積が広い中古住宅では10万円程度の費用がかかることがありますが、高い消臭効果が期待できます。

2つめの壁紙を貼り替えるなどのリフォームは、家全体の壁紙を貼り替える必要がありますが、臭いを消す効果があることはもちろん、中古住宅をリフレッシュすることが可能です。

3つめの丁寧な掃除は、臭いがどこから出ているか判明していれば効果があり、費用が安く済みます。

3つの方法のうち、最も費用が安く済むのは掃除ですから、まずは丁寧に掃除し、臭いが消えなければイオン消臭サービスやリフォームを検討するのが良いでしょう。

つづいて、中古住宅の臭いを消す3つの方法であるオゾン消臭サービス、リフォーム、掃除をする際の注意点、それぞれのメリットとデメリットをご紹介しましょう。

1-1. オゾン消臭サービスによる中古住宅の臭いの除去

中古住宅の臭いを消す有効な方法の一つが、オゾン消臭サービスの利用です。

オゾン消臭サービスとは、ダスキンなどの専門業者が行う消臭・除菌サービスであり、タバコやペット、カビ、料理を原因とするキッチンの臭い、トイレのアンモニアの臭いなど、中古住宅の様々な臭いを除去できます。

オゾン消臭サービスを依頼すれば、専門業者がオゾン発生器を使用しつつ室内にオゾンを充満させ、臭いの発生成分を酸化させつつ中古住宅を無臭にします。

オゾン消臭サービスの利用料は業者と中古住宅の床面積、臭いの強さによって異なりますが、床面積が60平方メートル程度、臭いが強ければ7万円から8万円程度とさほど高くはありません。

中古住宅の臭いはオゾン消臭サービスで消す

ただし、香水や線香、石鹸、香辛料、塗料、ガソリン、殺虫剤などの臭いは、オゾン消臭サービスでは消えにくいといわれるため留意してください。

それらの臭いの発生成分は酸化しにくく、オゾン消臭サービスの効果が薄いといわれます。

また、あまりに猛烈な臭いの発生源がある場合は、まずは発生源を取り除かなければならないこともあります。

たとえば、タバコのヤニで大きく変色した壁がある場合は、まずは壁紙を貼り替えなければならないといった具合です。

いずれにせよ、オゾン消臭サービスを利用する際は、事前に専門業者に中古住宅を見学させ、効果があるか確認を取るようにしてください。

オゾン消臭サービスで中古住宅の臭いを消す方法のメリットとデメリットを列挙すると、以下のとおりです。

オゾン消臭サービスのメリット
  • タバコ、ペット、カビ、アンモニア、キッチンの臭い、生活臭など、中古住宅の様々な臭いを消すことができる
  • 床面積が60㎡の中古住宅で7万円から8万円程度など、お手頃価格で臭いを除去できる
  • 新型コロナなどのウイルスも無害化できる
オゾン消臭サービスのデメリット
  • 香水や線香、石鹸、香辛料、塗料、ガソリン、殺虫剤など、人が作った成分から発する臭いは消えにくい
  • 臭いの発生源がある場合は、まずは発生源を除去しなくてはならないことがある
  • 専門業者に依頼をする必要があり、地方などは営業エリア外でサービスを受けることができない場合がある

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1-2. リフォームによる中古住宅の臭いの除去

壁紙や天井を貼り替えるなどのリフォームをすれば、中古住宅の臭いを高い確率で消すことができます。

また、リフォームを行えば中古住宅をリフレッシュできるというメリットもあり、壁紙が色あせている場合はリフォームを検討するのが良いでしょう。

ただし、臭いの除去を目的としてリフォームをする場合は、天井を含め中古住宅全体の壁紙を貼り替える必要があり、20万円から30万円程度の費用が必要です。

さらに、臭いが床にも染みついている場合は、床のリフォームもしなければなりません。

特に天然素材である「井草」でつくられた畳があれば、交換や貼り換えは必須です。

井草は臭いが染みつきやすく拭き掃除では消臭できず、新調したりフローリングにリフォームするなどの対処が求められます。

また、壁紙の下地となっている石膏ボードに臭いが染み付いている場合は下地も交換する必要があり、さらに費用が高くつきます。

リフォームによる中古住宅の臭いを消す方法のメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりです。

リフォームによる臭いの除去のメリット
  • 高い確率で中古住宅の臭いを除去できる
  • 中古住宅をリフレッシュできる
リフォームによる臭いの除去のデメリット
  • 家全体の壁紙を貼り換えると20万円から30万円程度の費用がかかり、場合によっては畳などの床材も交換する必要がある
  • 下地に臭いが付いている場合は、下地も交換しなければならない

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1-3. 掃除による中古住宅の臭いの除去

中古住宅の臭いは、発生源が判明しているのであれば、その場所を丁寧に掃除をすることによって消すことができる可能性があります。

掃除は、よく晴れた湿度が低い日に消臭効果や除菌効果があることを謳う洗剤を用いて行い、完了後は窓を開けて室内の湿気を飛ばしてください。

梅雨時や雨の日など湿度が高い日に掃除をすると水分が乾かず臭いも消えず、カビなど別の臭いが付着することがあります。

自分で掃除をすれば費用は洗剤代だけで済むため、中古住宅の臭いが気になる場合は、まずは丁寧に掃除をするのが良いでしょう。

ただし、臭いの発生源の判断に誤りがあり、別の場所を掃除した場合は、すべてが徒労に終わる可能性があるため注意してください。

私も中古住宅を購入しつつ臭いが気になり、一日をかけて掃除をしたことがありますが、見当違いの場所を掃除して全く効果がありませんでした。

掃除による中古住宅の臭いを消す方法のメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりです。

掃除による中古住宅の臭いの除去のメリット
  • 費用が洗剤代だけで済む
掃除による中古住宅の臭いの除去のデメリット
  • 臭いの発生源の判断(掃除をする場所の判断)が的外れな場合は、徒労に終わる可能性がある

余談ですが、私の経験からすると中古住宅独特の臭いが最も強くなるのは、梅雨時や雨の日など湿気の多い日です。

よって、中古住宅の購入を希望しつつ臭いに関する懸念がある場合は、可能であれば雨の日に見学をし、匂いをチェックするのが良いでしょう。

つづいて、タバコの臭いやペットの臭いなど、中古住宅の臭いを消すより具体的な方法をご紹介しましょう。

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2. タバコの臭いは、壁紙や天井を貼り替える

中古住宅を見学しようと玄関に入ると、猛烈なタバコの臭いに喉が痛くなることがあります。

タバコを吸わない方にとってタバコ臭は苦痛であり、その中古住宅の購入を断念しようかと迷いますが、壁紙の貼り換えによって除去したり和らげることが可能です。

タバコの臭いは天井にも染みついているため、忘れずに天井の壁紙も貼り替えてください。

壁と天井の壁紙の貼り換えはDIYでもできますが、リフォーム業者に依頼した場合、費用の相場は6帖のお部屋で10万円程度です。

あわせて換気扇やドア、サッシなども消臭効果や除菌効果がある洗剤で掃除をすれば、より効率的にタバコの臭いを消すことができます。

また、中古住宅の売主が使用していたカーテンが残されている場合は、迷わず廃棄しましょう。

中古住宅の臭いを消すために掃除する際は、必ず消臭効果や除菌効果がある住居用洗剤を使う

なお、和室の天井は板張りになっていることがありますが、板の上に壁紙を貼ることができます。

加えて、購入を希望する中古住宅のタバコ臭があまりに強い場合は、それを理由に値引きを迫るのも手です。

当サイト「誰でもわかる不動産売買」では、中古住宅の値引きに関することをご紹介するコンテンツを公開しています。

これから中古住宅を購入する方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

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3. ペットの臭いは、壁紙を貼り換え床材を交換する

中古住宅のペットの臭いは、壁紙を貼り換える、丁寧に掃除をする、オゾン消臭サービスを利用するなどすれば和らげたり消すことができます。

ペットの臭いは犬や猫のおしっこを原因として床に染みついていることがあるため、床材の新調や掃除も忘れないでください。

6帖のお部屋の壁紙を貼り換えるリフォームの費用の相場は6万円程度、フローリングを新調するリフォームの費用の相場は8万円程度です。

6帖のお部屋を畳からフローリングにリフォームをする費用の相場は、15万円程度となっています。

また、ペットの臭いはドアや窓などにも染みついているため、消臭効果や除菌効果がある住居用洗剤で丁寧に掃除をして臭いを拭きとることも大切です。

ふすまや障子など紙を使った建具があれば、躊躇せず貼り換えてください。

ふすまや障子の貼り替えは思いのほか簡単にでき、DIYで貼り替えれば数千円などの材料費だけで済みます。

ただし、壁紙を貼り替えるなどしてペットの臭いを除去できたとしても、動物アレルギーの方はアレルギー症状が出ることがあるため注意してください。

重度の猫アレルギーがある場合は、ペット臭がする中古住宅の購入は避けた方が無難

2020年4月1日より前に売買された中古住宅の売主が有する責任に、「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」があります。

中古住宅の売主が負う瑕疵担保責任とは、引き渡された物件に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合に売主が負う責任です。

2020年4月1日より前に売買された中古住宅の売主には瑕疵担保責任があり、引き渡された物件に隠れた瑕疵があれば、売買契約の内容にもよりますが、買主は損害賠償を請求したり契約を解除できます。

そして、中古マンションの買主が、引き渡された物件の浴室の天井裏に残されていた大量の野鳥の死骸や糞を原因とするダニアレルギーを発症したとして、売主の瑕疵担保責任を問いつつ損害賠償を請求する訴えを東京地裁に起こしたことがあります。

残されていたのはエアコンの配管用の穴から侵入した野鳥の死骸や糞とみられ、判決では中古マンションの売主に191万円の支払いが命じられています。

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4. トイレの臭いは、便器内の尿石をサンドペーパーで削り取る

中古住宅のトイレは、独特のアンモニア臭が染みついていることがあります。

トイレのアンモニア臭は、壁紙に跳ねた尿や便器内に残る尿石が原因と考えられます。

よって、まずは除菌や消臭効果がある住居用洗剤で壁紙を掃除する、または壁紙を貼り換えるなどしてください。

天井やドアも掃除をするのが理想であり、天井の壁紙の貼り換えも有効です。

つぎに、重曹を使いつつ便器内の尿石を除去します。

硬くて取り除けない場合は、便器内の水を灯油ポンプやスポイトなどで汲み出し、尿石を露出させつつ耐水性があるサンドペーパーなどで削り取りましょう。

耐水サンドペーパーは600番から800番など目の細かいものを使用し、便器を傷つけないように注意してください。

また、中古マンションのトイレは窓がないことがあり、窓がないトイレは換気扇が付いていても臭気がこもりがちで匂います。

中古マンションなどで見かける窓がない中古住宅のトイレは臭いがこもりやすい

窓がないトイレの臭いは、管理組合と相談をするなどしてより換気量が多い換気扇への交換を検討してください。

築年数が古い中古マンションの換気扇は、モーター音は大きいものの換気量が少なく、あまり脱臭効果が期待できないことがあります。

なお、最近は、ダスキンなどの専門業者がオゾンを用いて住居の臭いを除去する「オゾン消臭サービス」を実施しています。

オゾン消臭サービスは、トイレのアンモニア臭にも有効とされるため、中古住宅の臭いが気になる場合は利用を検討してください。

オゾン消臭サービスの詳細は、この記事の「1-1. オゾン消臭サービスによる中古住宅の臭いの除去」にてご確認いただけます。

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5. 玄関の臭いは、靴箱に染みついている臭いを拭き取る

中古住宅を見学する際は、入ってすぐ玄関の臭いが気になることがありますが、玄関の臭いの主な原因は靴箱です。

よって、中古住宅の購入を検討するものの玄関の臭いが気になる場合は、購入後に住居用洗剤を用いて、靴箱を隅々まで掃除をするのがおすすめです。

掃除をした後は、定期的に靴箱の扉を開放するなどして、中に臭いがこもらないように注意してください。

靴箱を掃除しても臭いが消えない場合は、壁紙や床、柱、天井も掃除しましょう。

それでも臭いが消えない場合は、靴箱の交換や撤去、壁紙を貼り換えるリフォーム、専門業者へのオゾン消臭サービスの依頼を検討してください。

オゾン消臭サービスは、アパートの入居者が入れ替わる際などにも利用されるため、十分な消臭効果が期待できます。

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6. 思いのほか臭うのが土壁。土壁はリフォームするのがベスト

中古住宅の臭いといえば玄関の靴の臭いやトイレのアンモニア臭をイメージしますが、思いのほかくさいのが土壁です。

土壁は吸湿効果がありますが、湿気を吸う際は臭いも吸い込みます。

そして、古くなると吸湿効果が衰え、溜め込んだ臭気を吐き出しつつ臭くなります。

壁紙の臭いは、住居用洗剤で拭き取ることができますが、土壁は拭くことができません。

よって、土壁が臭う場合は塗り直したり、土壁の上に壁紙を貼るリフォームを施して臭いを封じ込めるのがおすすめです。

土壁に壁紙を貼るリフォームの費用は、6帖のお部屋で8万円程度が相場となっています。

中古マンションの土壁は土壁風の壁紙であり、臭いを吐き出すことはないが、くさい場合は貼り替える

ちなみに、中古マンションの和室に採用されている土壁は土壁ではなく、土壁風の壁紙が貼られたものです。

そのため、中古マンションの和室に採用されている土壁が臭いを吐き出すことはありませんが、生活臭が染みつくなどして臭いの発生源となっていることがあります。

臭いの発生源となっている場合は、土壁風の壁紙を貼り換えるのが有効です。

6帖のお部屋の土壁風の壁紙を貼り替えるリフォームの費用の相場は、5万円程度となっています。

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7. 無垢のフローリングの臭いは、ワックスを塗る

無垢のフローリングは吸湿効果があり、湿気が高くなる夏に吸湿し、乾燥する冬に吐き出すといわれますが、同時に臭いも吸い込みつつ吐き出します。

これを理由に無垢のフローリングが使われている中古住宅は、床から匂います。

無垢のフローリングが匂う場合は、まずは丁寧に掃除し、つぎにワックスを塗りつつ臭いを封じ込めましょう。

掃除はフローリング専用の洗剤、消臭や除菌効果がある住居用洗剤、スチームクリーナーなどが有効ですが、水分を用いてを掃除をする場合は手早く済ませて十分に乾かし、無垢のフローリングが傷まないように注意してください。

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8. お風呂や洗面室のカビの臭いは、塩素で消す

中古住宅のお風呂や洗面室の臭いは、浴室や洗面台などに生えたカビが原因であり、塩素が使われた洗剤でカビを除去すれば臭いを消すことができます。

また、夏にドブや下水のような臭いがする場合は排水溝が原因であり、排水管クリーナーで排水管を掃除するなどしてください。

なお、洗面室の臭いは、洗面台の裏側や壁紙と下地の間など、掃除ができない場所に生えたカビが原因の場合があります。

お風呂や洗面室のカビの臭いは塩素で消す

その場合は、洗面台を移動しつつ裏側を掃除する、場合によっては洗面台を新調する、壁紙を剥がして下地を交換するなどのリフォームが必要です。

カビの臭いを消すためにはカビそのものを除去する必要があり、カビをそのものを除去するためには、カビを露出させつつ掃除をしなければなりません。

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まとめ - 中古住宅の臭いは、思い切った方法で対処する

中古住宅の臭いを消す方法をご紹介しました。

中古住宅の臭いを消す方法は、オゾン消臭サービス、壁紙を貼り換えるなどのリフォーム、消臭効果と除菌効果がある洗剤を用いた掃除に大きく分類されます。

オゾン消臭サービスは消臭効果が高いものの、あまりに猛烈な臭いの発生源がある場合は、取り除かなければなりません。

壁紙を貼り替えるなどのリフォームも消臭効果が高いものの、場合よっては中古住宅全体の壁紙や床材を交換する必要があり、高額な費用がかかる場合があります。

掃除は発生源が判明しているのであれば消臭効果が期待できるものの、発生源がわからなければ施しようがありません。

このようにご紹介した中古住宅の臭いを消す方法は、どれも一長一短です。

よって、まずは掃除をし、臭いが消えなければオゾン消臭サービスを、それでもダメならリフォームをするなど、様々な手段を講じて臭いを消してください。

ファブリーズなどの消臭スプレーをかければ臭いが取れることがありますが、大抵は一時的なものでしばらくすると戻ります。

また、お香などを焚いて臭いの上に臭いを被せるという方法もありますが、それでは根本的な解決には至りません。

ご紹介した内容が、中古住宅の臭いに悩まされる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2023年9月
記事公開日:2019年8月

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