中古住宅を購入する前にシロアリの有無を自分でチェックする方法

中古住宅を購入する前にシロアリによる被害を自分でチェックする方法

中古住宅を購入する際はシロアリ被害の有無が気になりますが、検査をするには売り主の承諾が必要で、なにかと手間取ります。

しかし、シロアリの有無は思いのほか簡単にチェックすることが可能で、自分でチェックすれば手間が掛かりません。

中古住宅の購入を検討するもののシロアリが気になる方へ向けて、中古住宅を見学する際にシロアリ被害の有無をチェックする方法をご紹介しましょう。

なお、ご紹介する方法は、あくまで簡易的なチェック方法で、完全ではありません。

よって、完全なチェックを希望する場合は、中古住宅の売り主の承諾を得た上で、専門業者によるシロアリ検査を中古住宅に施すように心掛けてください。

目次

チェック1. 基礎の種類を調べる

シロアリは、地面から地上に這い出るなどして床下の建材にたどり着き、「大引き」や「根太」「束」などと呼ばれる床材を支える木材を食い荒らします。

そのため、床材を剥がすと土が見えるような基礎で建てられた中古住宅は、シロアリの被害に遭いやすいのが通例です。

具体的には、鉄筋とコンクリートを用いて作られた「ベタ基礎」の中古住宅はシロアリに強く、それ以外の基礎で建てられた中古住宅はシロアリの被害に遭うリスクが高くなります。

ベタ基礎の中古住宅はシロアリに強い

よって、中古住宅の購入を検討するもののシロアリが気になる場合は、中古住宅を見学する際に基礎の種類を確認するのがおすすめです。

自分で基礎の種類を判断できない場合は、その中古住宅を仲介する不動産業者に聞くなどすれば、基礎の種類を確認できます。

また、中古住宅に床下収納がある場合は、蓋を開けて収納ボックスを取り外せば基礎の種類や床下の状態を目視できるため、床下収納がある場合はご自身で床下の状態を直接チェックするのがおすすめです。

チェック2. フカフカの床はないか?

一戸建ての中古住宅の床は、「大引き」や「根太」「束」などと呼ばれる建材で支えられています。

一戸建ての中古住宅は、大引きや根太、束などの建材で支えられている

そして、シロアリの被害がある中古住宅は、それらの建材が食害されているため、床を踏むと感触が柔らかく、フカフカとした踏み心地です。

よって、中古住宅の購入を検討するもののシロアリの被害が気になる場合は、見学の際に床を隅々まで踏みしめ、感触を確かめるのがおすすめです。

ただし、踏み心地が柔らかい箇所があっても、必ずシロアリによる食害があるわけではなく、ただ単に腐朽している可能性もあるため留意してください。

チェック3. 基礎まわりに「蟻道(ぎどう)」はないか?

蟻道とは、シロアリが通る道のことで、シロアリは蟻道を作りつつ床下に侵入し、中古住宅に被害を及ぼします。

蟻道は、基礎の内側(床下部分)に作られる場合と、基礎の外側に這うように作られることがあります。

よって、中古住宅の購入前にシロアリ被害の有無をチェックする場合は、見学の際に基礎まわりを見て回り、蟻道を確認するのがおすすめです。

蟻道があれば、その中古住宅はシロアリによる被害がある可能性が高いといえます。

チェック4. 床下に「風通し」があるか?

シロアリは、ジメジメと湿った場所を好み、通気が行き届いたカラッとした場所は好みません。

そのため、床下の風通しが悪い中古住宅は床下に湿気が溜まり、シロアリが湧きやすくなっています。

一戸建て住宅は基礎に設けられた通気口や、基礎と外壁のつなぎ目に設けられた「基礎パッキン」と呼ばれる通気性のある建材で床下の風通しを確保しています。

基礎に設けられた通気口

基礎にある通気口

床下の風通しを確保するため、基礎と外壁のつなぎ目などに取り付けられる基礎パッキン

基礎と大引きの間に取り付けられた基礎パッキン

よって、中古住宅の購入を希望するもののシロアリの被害が気になる場合は、基礎に通気口があるか、または、基礎と外壁のつなぎ目に基礎パッキンがあるか、見学の際にチェックするのがおすすめです。

なお、通気口や基礎パッキンがあっても、それらを塞ぐように雑草などが生い茂っている中古住宅は、床下の風通しが悪くなっている可能性があるため注意してください。

まとめ - まずは自分でシロアリをチェックして、費用を安く抑えよう

中古住宅の購入を希望するもののシロアリが気になる方へ向けて、自分でシロアリ被害の有無をチェックする方法をご紹介しました。

中古住宅を購入する際は、シロアリ被害の有無が気になりますが、本格的にチェックするには専門業者による検査が必要で、売買契約を締結する前の中古住宅に検査を実施するためには、売り主の承諾が必要です。

売り主は可能な限り、自分が売りに出す中古住宅の瑕疵(欠陥)を知りたくないため、検査を嫌がる傾向があります。

また、床下収納や床下の点検口がある中古住宅は床下に入りやすく、シロアリ被害の有無を簡単にチェックできますが、それらがない中古住宅の床下をチェックする場合は、床材を剥がす必要があり、検査費用が高く付きます。

そのため、中古住宅を見学する際は、ご紹介したチェック項目を参考に、まずはご自身で簡易的なシロアリチェックするのがおすすめです。

ただし、完全なシロアリ被害のチェックは、専門業者による検査が欠かせないため注意してください。

ご紹介した内容が、中古住宅の購入を検討する皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2019年7月

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