中古物件の浴室をリフォームしたい。費用の相場はいくら?

築年数が古い中古物件を見学すると浴室の傷みが激しく、購入を躊躇することがあります。
しかし、どんなお風呂もリフォームすれば綺麗になり、気持ちよく入浴することが可能です。
そこで今回の「誰でもわかる不動産売買」では、一戸建てやマンションの中古住宅の購入を希望するものの浴室の傷みが気になる方へ向けて、お風呂をユニットバスにリフォームする費用の相場や、リフォームする際の注意点、ユニットバスのお勧めのオプションをご紹介しましょう。
目次
- 1. リフォーム費用の目安は、60万円程度から160万円程度
- 2. 既存の浴室より大きなお風呂にリフォームできる?
- 3. あると快適! ユニットバスにお勧めのオプション
- 4. こんな場合は、リフォーム費用が高くなる!
- 5. 中古物件のリフォームは、不動産業者を頼りに!
1. リフォーム費用の目安は、60万円程度から160万円程度
中古物件の浴室をユニットバスにリフォームする費用は、依頼するリフォーム店や工務店、浴室の傷み具合などにより異なりますが、工事費込みで60万円から160万円程度が相場です。

また、中古物件のお風呂をユニットバスにリフォームする際は、既存のお風呂を撤去して新しいユニットバスを設置することになりますが、ユニットバスの価格はサイズ(広さ)とグレード(質感)により異なり、主な価格帯は以下のとおりとなっています。
ユニットバスの主な価格帯(※1)
サイズ | 低グレード | 高グレード |
---|---|---|
1216(0.75坪 ※2) | 30万円 | 80万円 |
1616(1坪) | 45万円 | 90万円 |
1618(1.25坪) | 60万円 | 100万円 |
1624(1.5坪) | 75万円 | 120万円 |
※1 リフォームの際は別途工事費が必要
※2 1坪は畳2枚分の広さ
なお、中古物件のお風呂をユニットバスにリフォームする際は、既存のお風呂と同程度のサイズのユニットバスを導入するのが通例で、そうすればリフォーム費用を安く抑えることができます。
2. 既存の浴室より大きなお風呂にリフォームできる?
先にご紹介したとおり浴室のリフォームは、既存の浴室と同程度の広さのユニットバスを導入するのが通例で、そうすれば浴室の壁を壊す必要などがなく、リフォーム費用を安く抑えられます。

しかし、築年数が古い中古物件の浴室は狭いことが多く、可能であれば、足を伸ばせる大きな浴槽が付いた広いお風呂にリフォームしたいものです。
既存の小さな浴室を広い浴室にリフォームすることは、中古物件の間取りや柱の位置などにより異なりますが、一戸建て、中古マンションを問わず大抵の場合は可能です。
ただし、既存の浴室より広いお風呂にリフォームすると、浴室に接する洗面脱衣室などが狭くなります。

また、既存の浴室より広いお風呂にリフォームする際は、浴室の壁を壊しつつ浴室を広くし、大きなユニットバスを設置します。
そのため、新しい壁を作ったり、壁紙を貼るなどの追加工事が必要になり、リフォーム費用が高くなるため注意してください。
なお、浴室のリフォーム費用は60万円~160万円が相場ですが、お風呂のサイズを大きくする場合は100万円~200万円程度が相場です。
ちなみに、足が伸ばせる浴室のサイズは、以下のとおりなどとなっています。
足が伸ばせる浴槽が付いたお風呂のサイズ
サイズ | 内径寸法 |
---|---|
1616 | 160cm×160cm(1坪) |
1618 | 160cm×180cm(1.25坪) |
1624 | 160cm×240cm(1.5坪) |
ユニットバスのサイズ比較

3. あると快適! ユニットバスにお勧めのオプション
ユニットバスには、様々なオプションが用意されています。
中古物件の浴室をユニットバスにリフォームする際に、追加すると便利で快適なオプションをご紹介しましょう。
- 保温・断熱オプション(オプション料10万円程度)
- 一戸建てなど、床冷えするような中古物件の浴室をユニットバスにリフォームする際は、保温・断熱オプションの追加がお勧めです。
ユニットバスに保温・断熱オプションを追加すれば、浴室内の壁や床、浴槽の内側などに断熱材が施され、冬に湯船のお湯が冷めにくくなり光熱費を節約できます。
また、ユニットバスは、浴槽の蓋をオプションで追加できますが、断熱効果がある蓋を選ぶことも可能で、断熱浴槽と断熱蓋を併用すれば、より保温力が高くなります。
ちなみに、筆者のお風呂も断熱仕様で断熱効果がある蓋を使っていますが、冬の寒い時期でも翌日の夕方ごろまではお湯が温かく驚かされます。
ただし、お湯が温かいといっても、そのまま入浴できるほど温かいわけではなく、お風呂に入るには追い炊きなどが必要になるため注意してください。 - 物干し竿(オプション料1本数千円程度)
- ユニットバスは、浴室内にステンレス製の物干し竿をオプションで追加できます。
浴室内に物干し竿があれば、雨の日に洗濯物を干す際に便利です。
なお、物干し竿のオプションは3本程度まで追加できますが、本数が多すぎると邪魔になります。 - 浴室換気暖房乾燥機(オプション料10~15万円程度)
- 浴室換気暖房乾燥機とは、換気扇と暖房機が一つになった機器を表し、ユニットバスの天井部分に取り付けて使用します。
浴室換気暖房乾燥機があれば冬の入浴が快適で、ヒートショックを防ぎつつ、浴室内で洗濯物を干す際も乾きやすくなります。
ただし、浴室換気暖房乾燥機は、ガスを熱源とするタイプと電気を熱源とするタイプがあり、電気を熱源とするものは暖まりにくく、電気代も高くなるため注意してください。
4. こんな場合は、リフォーム費用が高くなる!
中古物件の浴室をユニットバスにリフォームする費用の相場は、60万円~160万円程度とご紹介しました。
しかし、以下に該当する場合などは、リフォーム費用が高くなるため注意してください。
- 給湯器を取り替える場合
- お風呂のリフォームを必要とする中古物件は、大抵の場合、浴室にお湯を供給する給湯器も古くなっています。
そのため、給湯器も取り替える場合は、リフォーム費用が高くなるため注意してください。
なお、給湯器には「ガスを熱源とするタイプ」と「電気を熱源とするタイプ」があります。
ガスを熱源とする給湯器を新調する場合は15万円程度、電気を熱源とするタイプの給湯器を新調する場合は20万円程度、エコキュート(電気と空気の熱でお湯を沸かす給湯器)に新調する場合は50万円程度の追加費用が必要です。
また「ガスを熱源とする給湯器」を「電気を熱源とする給湯器」に交換する場合は、中古住宅に引き込まれている電圧を200Vに引き直す電気工事が必要になる場合があります。
その場合は、さらに15万円程度の追加費用が掛かります。 - お風呂まわりが腐朽している場合
- 築年数が古い中古物件のお風呂といえばタイル貼りが通例ですが、タイル貼りのお風呂は目地から水漏れしやすく、お風呂の壁の中にある柱や床下が腐朽していることがあります。
お風呂まわりの建材が腐朽している場合は、きちんとユニットバスを固定できません。
よって、お風呂まわりの腐朽した建材を新調するために10万円~15万円程度の追加工事が必要になるため注意してください。 - お風呂の場所を変更する場合
- お風呂の場所を変更するためには、給水管や排水管の位置を変更する必要があり、大掛かりな工事が必要です。
工事費用の目安は中古物件の間取りや、浴室を移す位置により異なりますが、安くとも30万円程度、場合によっては数十万程度と高額になります。
よって、お風呂の場所を変更する場合は、リフォーム費用が跳ね上がるため注意してください。
なお、鉄筋コンクリートで作られたマンションの場合は、費用を掛けても浴室の位置を変更できないことがあります。
理由は、鉄筋コンクリートで作られた中古マンションは、コンクリートの中に給排水管が埋め込まれている場合があるためです。
コンクリートの中に埋め込まれた給排水管の位置を変更するためには、飛び切り大掛かりな工事が必要となり、管理組合や下階の方の協力がなければ実施できない可能性があります。
よって、鉄筋コンクリートで作られた中古マンションのお風呂の位置は、変更できないことがあるため留意してください。
5. 中古物件のリフォームは、不動産業者を頼りに!
中古物件の浴室をユニットバスにリフォームする費用の目安や、ユニットバスのお勧めのオプション、リフォーム時の注意点をご紹介しました。
中古物件の購入を検討する方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。
なお、中古物件の浴室をリフォームする際は、リフォーム店を探すことになりますが、見当が付かない場合は、中古物件を仲介する不動産業者にアドバイスを求めるのがお勧めです。
不動産業者は、リフォーム店と関わりがあることが多く、良いアドバイスが期待できます。
もし、不動産業者から良いアドバイスを受けられない場合は、リフォームコーナーが併設されたホームセンターや、大型家電量販店に見積もりを依頼するのが有効です。
ホームセンターや大型家電量販店のリフォームコーナーは、大抵は明朗会計で安心してリフォームを依頼できます。
最終更新日:2020年3月
記事公開日:2018年9月
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